ビジネスシーンや日常会話で頻繁に耳にする「引き続きよろしくお願いいたします」。
特にメールの締めくくりとしてよく使われますが、実際にその意味や使い方を深く理解しているでしょうか?
「引き続き」という言葉が示す継続的なニュアンスには、「今後も同じ関係を続けたい」という思いが込められています。
相手に丁寧な印象を与える一方で、場面を誤ると不適切になることも。本記事では、基本的な意味や使用例、注意点について解説し、安心して使える表現方法をお届けします。
「引き続きよろしくお願いいたします」の基本的な意味とは?
「引き続きよろしくお願いいたします」は、相手との関係をこれからも継続していきたいという気持ちを伝える丁寧な表現です。
このフレーズは日本語特有の表現であり、「引き続き」が示す通り、既に何かしらのやり取りや協力関係がある状況で用いられます。
そのため、初対面の人や単発の依頼には適しません。
また、「よろしくお願いいたします」には敬意を持って相手に依頼をする意味が込められています。
これに「引き続き」が加わることで、「これまでと同様に、今後もご協力をお願いしたい」という意味が一層強調されます。
このフレーズは、ビジネスや個人的なコミュニケーションで、相手に対する信頼を示しつつ、長期的な協力関係を築きたい時に適しています。
「今後もこの関係性を続けていきたい」という思いを込めて伝えることができるため、締めの挨拶として多用されるのです。
「引き続きよろしくお願いいたします」が使われる具体的な場面
「引き続きよろしくお願いいたします」は、既に関係性が構築されている相手に対して、協力や支援の継続を依頼したい場合に使います。
ここでは、ビジネスのさまざまなシーンでどのように活用できるのか、具体例を挙げて説明します。
1. プロジェクトの進行中や進捗報告時
プロジェクトの進行中に「引き続きよろしくお願いいたします」と伝えることで、引き続きサポートや協力をお願いしている意図を表現します。
特に、段階ごとの進捗報告時などで使うと、チーム内やクライアントに対して次のステップでも協力を求めやすくなります。
2. 契約後のフォローアップ
契約が成立した際のフォローアップメールで「引き続きよろしくお願いいたします」と結ぶことで、契約後も良好な関係を続けたい旨を伝えられます。
これは新しい取引先やパートナーとの信頼関係構築にも有効です。
3. 定期報告や連絡の際
定期的な業務報告やクライアントへの定期連絡の最後にも、このフレーズを使います。
相手が引き続きサポートや指導をしてくれることを期待しつつ、丁寧に依頼する形になります。
4. イベントや会議後のお礼
会議やイベントなどに参加してもらった後に、「今後もご協力いただけることを期待しています」という意図を込めて用いることができます。
これは、一度だけの付き合いではなく、今後も続けて協力してもらいたい場合に特に有効です。
メールでの使用例と表現の工夫
ビジネスメールにおいて「引き続きよろしくお願いいたします」を使う際、状況に応じて表現を少し変えることで、相手により柔らかく、あるいは丁寧に響かせることができます。
以下に実際の使い方の例と、表現を工夫するためのポイントを紹介します。
基本的な例文
「いつもお世話になっております。〇〇株式会社の△△です。○○プロジェクトの件、引き続きご確認のほどよろしくお願いいたします。」
このように、プロジェクトの進捗を伝える際や、協力を継続してもらう依頼をする際に適した表現です。
表現を柔らかくする工夫
「引き続きよろしくお願いいたします」に「のほど」を加えることで、やや柔らかく、丁寧な印象を与えられます。
たとえば、「引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします」とすると、依頼のニュアンスが強すぎず、相手にプレッシャーを与えない表現になります。
目上の方やクライアント向けの例
より丁寧にしたい場合には、「何卒」を加え、「引き続き何卒よろしくお願い申し上げます」とすることで、目上の方や大切なクライアントに対して失礼なく使うことができます。
特に、信頼関係をより深めたい際には、この丁寧な形が効果的です。
「引き続きよろしくお願いいたします」を使う際の注意点
「引き続きよろしくお願いいたします」は多くのビジネスシーンで重宝される表現ですが、使い方を誤ると意図が正確に伝わらない場合や、逆に失礼にあたることもあります。
ここでは、使用する際に気をつけたいポイントを紹介します。
1. 関係が続かない場合は避ける
「引き続き」という言葉には、今後も関係が続くことを前提としています。
そのため、一度きりの取引や関係が終了する予定の相手に対して使用するのは不適切です。
このような場合には「この度はありがとうございました」といった表現が適切です。
2. 謝罪の場面には不向き
「引き続きよろしくお願いいたします」は謝罪の文脈には不向きです。
謝罪の後にこのフレーズを使うと、反省の意が伝わらず、相手に不快感を与える可能性もあります。
謝罪の場面では、反省をしっかりと示し、「重ねてお詫び申し上げます」などで締めるようにしましょう。
3. 相手や場面に応じて丁寧さを調整する
特に目上の方やクライアントに対しては、「何卒」を加えた「引き続き何卒よろしくお願い申し上げます」といった表現がより丁寧です。
より慎重な表現が求められる場面では、こうした工夫をすると印象が良くなります。
「引き続きよろしくお願いいたします」のより丁寧な表現や類語・言い換え例
「引き続きよろしくお願いいたします」と同じような意味を伝える類語や、丁寧な言い換え表現を使うことで、相手にさらに心地よい印象を与えられます。
特にビジネスシーンでは、場面や相手に応じてこうした表現を活用すると効果的です。
1. 「今後ともよろしくお願いいたします」
「今後とも」は、「これからも続けて」の意味があり、取引や業務が一旦区切りを迎えた際に適しています。
この表現は関係が継続していくことを前提にしつつ、また新しい段階でも協力を求める場面にぴったりです。
2. 「お力添えを賜りますようお願い申し上げます」
この表現は、相手の協力を依頼しつつも、非常に丁寧なニュアンスを込めることができるフレーズです。
クライアントや上司に対しても失礼なく使えるため、目上の方に向けて敬意を示したい場合に適しています。
3. 「ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」
「ご指導ご鞭撻」という言葉を使うことで、相手からの助言や支援を期待する意味が加わり、より謙虚な依頼表現となります。
これは、特に学びや改善を求める場面において効果的な表現です。
4. 「変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」
「愛顧」という言葉には、日ごろからのご厚情や支援に対する感謝を含む意味があり、クライアントや顧客に対して使用すると、長期的な支援への感謝を強調できます。
商品やサービスに関連する業務の際に使用するとよいでしょう。
まとめ:「引き続きよろしくお願いいたします」を効果的に使うために
「引き続きよろしくお願いいたします」は、ビジネスの場で関係性の継続を示し、相手に敬意と協力の意思を伝える大切なフレーズです。
場面ごとの使い分けや、言い換え表現の工夫をすることで、より一層相手に好印象を与えられるでしょう。
- 使い方の基本を押さえた上で、一度きりのやり取りや謝罪の場面には使用を避けることが重要です。
- 表現を調整することで、目上の方やクライアントにはさらに丁寧な印象を与えられます。
- 場面に応じた言い換え表現(「今後ともよろしくお願いいたします」「お力添えを賜りますよう」など)を活用し、相手との良好な関係を築く一助としましょう。
正しい場面で適切に使うことにより、「引き続きよろしくお願いいたします」は単なる定型句を超えて、信頼されるビジネスパートナーとしての印象を深める表現となります。
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